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幸福も過ぎ去るが、苦しみもまた過ぎ去る。
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絶句してない絶句。

 ズバズバ書けると 思ったら
 そうは問屋が 卸さない
 下ろす鋏は 空を切り
 返す刀で 人を斬る
 おろす大根 鼻に突き
 返すアスパラ 茎腐り
 筆を下ろすと 紙がある
 指を下ろすと メカがある

+*+*+*

田口ランディの日記が面白い。
今は『くねくね日記』を読んでいる。
「ふつうの主婦」に偉人変人が吸い寄せられている。
なんというバイタリティ、と驚いている。
そして紡がれる言葉に「すごく共感できる」ことが凄い。
性質として具体的な人が、抽象的な話も厭わず語る。
具体的な話と抽象的な話が、「一人のひとが語っている」ことが分かる。
それにはランディ氏が会った色々な人の話が多く混じっている。
けれどその人の話が、ランディ氏を媒介して、氏の語りになる。
「もう何言ってっかわかんねーよ」という諦めも、媒介の一つの形。
「全然共感できないけどそういう人もいる」という断絶も一つの形。
媒介というのは、物語がその人の「身体」を通り抜けることだ。
だから理解を超越する話にも共振できる部分がある。
読んでいて、気持ちが動く。
分析的な読解が全く要求されていない。
「身体寄りの言葉」の使い方がよく分かる。
そこには同時に知性も存在している。
つまりそれは「分析的でない知性」ということになる。
これと本の中で出会えるというのは、稀有なことだと思う。
本文はずっと前の話だけど(まだ二十世紀末)、思わず「頑張れ」と言いたくなる。
きっと日常の中で言葉にならない想いを、言葉にしてくれている。
それが自分の想いに沿うかどうかは、実は副次的な問題に過ぎない。
時に突拍子もないこと、不謹慎なことが書かれ、オカルトだって辞さない。
けれど「言ったことは全部私が引き受ける」という意志が行間に溢れている。
ウチダ氏のよく言う、身銭を切る、というやつだ。
そして体を張って発言して世間(マスコミ)の波に揉まれる所まで生々しく書かれる。
なんということか、と思う。

もっと読もう、と思う。
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